P-02DETAILS

見えない
ところの約束

  1. COVER
  2. 見えないところの約束
01 — PRINCIPLE

総則

見えないところほど、
手を抜かない。

造作家具は、壁の中や引き出しの奥など、
使う人が一生見ない場所の仕事で
10年後の使い心地が決まります。

裏板も、ビスの位置も、すき間の幅も。
図面に描かれないところまで決めてから
木を切る。それがツギテのやり方です。

02 — ONE HAND

担当の通し

図面を描いた人が、
現場まで見届ける。

図面を描いた担当が、工場の刻みにも現場の取付にも立ち会う。設計・製作・取付と持ち場は分かれていても、描いた人は最後まで抜けません。

「壁が3mm傾いているから、ここで逃がす」という小さな判断は、図面の線には残りません。描いた人が刻みと取付に立ち会うことで、その判断を現場までつなげます。

03 — FIVE PROMISES

見えないところの、5つの約束

  • 01 木取りは、木目で決める

    Grain

    天板や扉は、木目が端から端までつながるよう、1枚の板から続けて切り出します(共木取り)。並べたときに柄が途切れないので、カウンターが1本の木のように見えます。

  • 02 裏も、表と同じ材で

    Inside

    裏板、引き出しの側板、棚の奥。ふだん目に入らないところにも、表と同じ等級の材を使い、同じ回数だけ研いで塗ります。10年たったとき、差が出るのはこういうところです。

  • 03 最後の1mmは、現場で

    Fitting

    現場の壁や床は、図面どおりにまっすぐとは限りません。図面の段階で「逃げ」と呼ぶすき間を仕込んでおき、取付の日に現場で削って、壁とのすき間を1mm以内に合わせます。

03 — FIVE PROMISES(04–05)

仕上げと、その先の2つの約束

  • 04塗装は3回、
    手で研ぐ

    下塗り・中塗り・上塗りの3回。塗るたびに表面を手で研ぎ、毛羽を落としてから次を塗ります。手でさわる天板の縁は、とくに念入りに仕上げます。

    Finish
  • 05納めた後も、
    10年みる

    扉のゆるみ、引き出しの重さ、天板の小さなキズ。納品から10年は、調整と手直しにうかがいます。

    (このデモでは架空の条件です)

    Aftercare

詳細図:納まりの仕口

この図の「納まり」は、家具と壁・床・天井のつながり方を指します。仕口(木と木の継ぎ方)と逃げ(現場とのすき間)は、図面の段階で決めておきます。

詳細図 4つの仕口

  • 留め

    2枚の板の端を45°に切って突き合わせる継ぎ方。木の切り口が表に出ないので、角がすっきり見えます。カウンターの角や額縁に。

  • 相欠き

    2本の材をそれぞれ半分ずつ欠き取り、十字に組む継ぎ方。棚の仕切りや、格子の交わるところに使います。

  • 蟻継ぎ

    台形(蟻)の形に刻んだ材を差し込む継ぎ方。引っ張っても抜けにくく、引き出しの前板や框に使います。

  • 雇い実

    2枚の板の溝に、別の細い板(実)を差し込んで継ぐ方法。長い天板を継ぐとき、段差やずれを防ぎます。

図の注記

  1. 1

    壁との逃げ

    壁との間に細い板(フィラー)をはさみ、取付の日に現場で削って合わせる。壁とのすき間は1mm以内。

  2. 2

    見えない側で留める

    壁や床へのビスは、扉の裏や台輪の内側に隠す。改装の日は、壊さずに外して付け直す。

  3. 3

    天板の継ぎ目

    長い天板は雇い実で継ぐ。継ぎ目の位置は、木目と照明の向きを見て図面に描き込む。

壁が3mm傾いていても、
すき間は1mm以内に。

逃げの幅は図面に描き、仕口は工場で刻みます。残りの1mmを合わせるのは、取付の日の現場です。描いた担当が立ち会い、壁に当てて削ります。