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問い合わせから24時間以内に連絡すると、商談化率はどれだけ変わるか

商談化文・森下 柚葉

この記事を書いた森下 柚葉(架空の人物)

森下 柚葉コンサルタント/データ分析・得意な数字は商談化率

「資料請求は毎月100件を超えているのに、商談になるのは1割に届かない」。売上診断で、いちばんよく伺う悩みのひとつです。広告やフォームを見直す前に、まず確かめてほしい数字があります。問い合わせが届いてから、最初に担当者と話せるまでにかかっている時間です。

この記事では、当社の支援先42社に届いた約1万8,000件の問い合わせを、最初に話せるまでの時間で分けて、商談になった割合を比べました。速さがなぜ効くのか、24時間以内に連絡できない会社では何が詰まっているのか、そして明日から使える「最初の24時間」の連絡の型までをまとめます。

連絡までの時間で、商談化率は約6倍ちがう

結果は、はっきりしていました。問い合わせから5分以内に担当者と話せた場合の商談化率は31.4%。1時間以内でも24.8%ありますが、翌日以降になると1割を切り、3日を過ぎると5.1%まで下がります。いちばん速いグループと遅いグループでは、およそ6倍の差です。

最初に話せるまでの時間別の商談化率

BtoBの支援先42社・問い合わせ約1万8,000件(2025年4月〜2026年3月)

  • 5分以内31.4%
  • 5分〜1時間24.8%
  • 1〜24時間17.9%
  • 1〜3日9.6%
  • 3日より後5.1%
※数値は TERASU のデモ用のサンプルです。商談化率=問い合わせのうち、初回の商談が実施された割合。

注目したいのは、問い合わせの中身をそろえても差が残った点です。業種や商材の単価、問い合わせの種類(資料請求か、相談の申し込みか)で分けて比べても、速いほど商談になる順番は入れ替わりませんでした。「速く連絡できる会社には、もともと見込みの高い問い合わせが多いだけでは」という疑問への答えとして、ここは強調しておきます。

一方で、支援を始める前の42社の状態を見ると、速さとはほど遠いのが実情でした。

  • 最初に話せるまでの時間(中央値)26時間
  • 1時間以内に話せていた割合14%
  • 3日より後になっていた割合23%

※支援を始める前の42社の数字(サンプル)

速いほど商談になる3つの理由

検討の熱は、送信した直後がいちばん高い

資料請求のボタンを押した瞬間、相手はまさにその課題について考えています。1時間後には別の会議に入り、翌日には別の仕事に追われています。電話がつながったときに「ああ、さっきの」と思い出してもらえるかどうかで、最初の5分の話しやすさがまったく変わります。

比べている他社より先に話せる

BtoBの問い合わせの多くは、2〜3社に同時に送られています。最初に話した会社は、課題の整理のしかたや、比べるときの物差しを先に渡せます。後から連絡した会社は、その物差しで比べられる側に回ります。

「誰が対応するか」が分かると、相手は安心する

自動返信メールだけでは、相手にとって会社は顔の見えない窓口のままです。担当者の名前と、いつ電話するかが分かるだけで、電話に出てもらえる割合は上がります。ある支援先では、自動返信に担当者名と電話する時間を書き足しただけで、1回目の電話がつながる割合が38%から55%に上がりました(サンプル)。

24時間以内に連絡できない会社の、3つの詰まり

速さが大事だと分かっていても、実際にはなかなか縮まりません。診断で流れを追うと、原因はたいてい次の3つのどれかです。

詰まりよくある状態最初に打つ手
担当の振り分けが手作業問い合わせのメールを上長が見て、翌朝に担当を決めている地域や業種で、自動で担当が決まるルールにする
営業が商談で手いっぱい外回りの営業が合間に折り返すので、夕方以降や翌日になる最初の連絡だけを受け持つ人を決める
先に調べすぎる相手の会社を調べ、見込みを判定してから電話しようとしている調べるのは5分まで。判定は電話で聞く項目に回す

3つ目は、意外に多い詰まりです。丁寧に準備したい気持ちは大切ですが、問い合わせから半日たってからの丁寧な電話より、5分後の短い電話のほうが商談になります。聞きたいことは、電話の中で聞けばよいのです。

最初の24時間の、連絡の型

支援先で実際に使っている流れを、時間の順に並べます。人数の少ない会社でも回せるように、やることは最小限にしています。

  1. 0〜5分自動返信メールを送る

    担当者の名前と、何時ごろ電話するかを書きます。資料請求なら、資料もここで渡します。

  2. 5分〜1時間1回目の電話

    「資料はお手元に届きましたか」から始め、いま困っていることを2つだけ聞きます。つながらなければ、留守番電話には名前だけを残します。

  3. 当日中2回目の電話と、短いメッセージ

    1回目と違う時間帯にかけます。つながらなければ、折り返しの番号と担当者名を短く送ります。

  4. 翌日の午前3回目の電話と、事例を1つ添えたメール

    相手の業種に近い事例を1つだけ添えます。資料を何本も送るより、1本のほうが読まれます。

  5. 24時間の時点結果を記録する

    つながったか、何回目でつながったか、次の約束が取れたかをCRMに残します。この記録が、翌週の改善の材料になります。

「何度も電話すると、しつこいと思われないか」という相談もよく受けます。支援先の数字では、3回目までは商談になる割合が上がり続け、苦情はほとんど増えませんでした。4回目からは伸びが小さくなるため、そこから先はメールでの連絡に切り替えています。

電話をかけた回数別の商談化率

つながるまでにかけた回数で分けた場合(図1と同じ問い合わせ)

  • 11.2%1回
  • 16.5%2回
  • 19.8%3回
  • 20.6%4回
  • 20.9%5回以上
※数値は TERASU のデモ用のサンプルです。3回目までは伸び、4回目からはほぼ横ばいになります。

速さより先に、決めておくこと

連絡を速くする取り組みは、速さだけを目標にすると長続きしません。「とにかく早く電話する」が合言葉になると、話す中身が追いつかず、つながっても商談にならない電話が増えるからです。先に決めておきたいのは、次の3つです。

  • 誰が最初の連絡を受け持つか(休みや外出のときの代わりも含めて)
  • 電話で何を聞き、どの答えなら商談に進めるか
  • 連絡までの時間を、どの会議で、誰が毎週見るか

特に抜けがちなのが3つ目です。当社の支援では、問い合わせから最初に話せるまでの時間を、週次の定例で必ず見ています。平均ではなく中央値で見るのは、夜間や休日の問い合わせに数字が引っぱられないようにするためです。

この記事のまとめ

  • 最初に話せるまでの時間で、商談化率は約6倍ちがった(サンプル)
  • 速さが効くのは「検討の熱」「他社との順番」「担当者の顔」の3つ
  • 遅れる原因は「振り分け」「人手」「調べすぎ」のどれか。先に見分ける
  • 最初の24時間は、自動返信と3回までの電話で組む
  • 連絡までの時間は、中央値で毎週見る

よくある質問

Q夜間や休日に届いた問い合わせは、どうすればいいですか?

自動返信メールで、翌営業日の何時ごろに電話するかを先にお伝えします。時間を約束しておけば、翌朝の電話でもつながりやすくなります。休日も対応する体制をつくるかどうかは、休日に届く問い合わせの割合を見てから決めましょう。

Q人手が足りず、すぐに電話できる人がいません。

まずは11時と16時など、1日2回の決まった時間にまとめて電話する形から始めてください。それだけでも、連絡が翌日以降になる問い合わせは大きく減ります。最初の連絡を受け持つ人を置くかどうかは、その後の数字を見て判断できます。

Q資料請求だけの方にも、電話をかけるべきですか?

おすすめします。ただし売り込みではなく、「資料の中で特に知りたいところはありますか」と伺う電話にします。相手の困りごとが分かれば、商談に進むかどうかはその場で決められます。

商談化率は、売上の式の中でも、社内の段取りを変えるだけで動きやすい数字です。自社の問い合わせが、いま何時間で最初の連絡につながっているかを確かめるところから始めてみてください。連絡の流れを一緒に組み直したい方は、商談化の設計をご覧ください。チェックリストはお役立ち資料からダウンロードできます。

※この記事の数値と事例は、TERASU のデモサイト用のサンプルです。

コンサルタントの森下 柚葉(架空の人物)

この記事を書いた人

森下 柚葉Yuzuha Morishita

コンサルタント/データ分析。大学で統計を学んだあと、調査会社でBtoB企業の需要予測を担当。

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