世界の海運は、2050年に向けて、船から出る温室効果ガスを減らそうとしています。
燃料を変える、船を賢くする、いま走っている船をつくり直す。
造船所だからできる方法で、澪重工は海の脱炭素に取り組んでいます。
燃やしてもCO2を出さないアンモニアを燃料にした、大型のばら積み船を開発しています。アンモニアは人体に有害なため、燃料のタンクと配管をどこに置き、どう人から遠ざけるかが設計の要です。エンジンのメーカー、船主、検査機関と、毎月同じ机を囲んでいます。
※数値・時期はサンプルです
新しい燃料の船は、港で燃料を積めなければ走れません。燃料を船から船へ移すための補給船の設計も、同じチームで進めています。船をつくるだけでなく、その船が走れる海の仕組みまでを描くのが、この事業の面白さです。
船の事故の多くは、人の見落としから起きます。カメラとレーダーの情報を重ねて、ほかの船や浮いている物を早く知らせる見張りの支援装置を、国内を走る貨物船で試しています。いずれは港から港までを、船が自分で判断して走れるようにすることが目標です。
汐見の本社には、海の上の船の状態を陸から見守る部屋があります。エンジンの温度や燃料の減り方から故障の前ぶれを見つけ、船員に知らせる。電気・制御の技術者と、船に乗っていた経験のある社員が並んで画面を見ています。
新しい船をつくるだけでは、海の脱炭素は間に合いません。重油で走っている船の機関室を開け、LNGでも走れるように改造する工事を、修繕ドックで行っています。限られた日数で機関室をつくり替える、修繕と新造の両方の知恵がいる仕事です。

改造のために開けた機関室

甲板に載せる燃料タンク