澪重工の育成の中心は、ドックと設計室での実際の仕事です。
入社から3か月で船づくりの基本を体で覚え、配属後は先輩と組んで一隻を担当します。
任される船が大きくなるのに合わせて、段階ごとに学ぶ場を用意しています。
研修には「全社で受けるもの」「職種ごとに受けるもの」「自分で選び取るもの」の3種類があります。設計も生産も事務も、最初の1年は同じ汐見工場で船づくりの基本を学び、2年目からそれぞれの専門を深めていきます。中堅になると、設計と工場を入れ替わる経験や、海外の合弁ヤードで働く機会も選べます。
管理職
中堅6〜10年目
若手2〜5年目
新入社員1年目
入社した年は、職種に関係なく全員が汐見工場の中にある「汐見技能センター」で約2か月の実習を受けます。鋼板のガス切断、溶接、玉掛け、足場の組み立てまで、現場の人が毎日やっている作業を自分の手でやってみる。配属後は、2〜3年上の先輩が「シップメイト」として1人付き、毎月の面談で仕事の悩みを一緒にほどいていきます。
溶接管理技術者や電気主任技術者、技術士、TOEICなど、職種ごとに必要な資格の取得を会社が支えます。社内の勉強会や対策講座に加えて、受験料や講習費の負担、合格したときの祝い金も用意しています。現場の先輩には資格を持つ人が多く、勉強の進め方を気軽に聞けるのも心強いところです。
| 資格の名前 | 持っている人(名) |
|---|---|
| 技術士(船舶・海洋/機械) | 40 |
| 溶接管理技術者 | 180 |
| 電気主任技術者 | 60 |
| クレーン・デリック運転士 | 320 |
| 危険物取扱者 | 270 |
| 衛生管理者 | 150 |
| TOEIC 730点以上 | 410 |
設計系の社員は、入社研修と技能センター実習のあと、汐見工場で3か月の現場実習を受けてから設計室に配属されます。自分が描く部材がどう切られ、曲げられ、溶接されるのかを見てから図面に向かうのが澪重工のやり方です。
| 船殻設計 | 入社〜1年次 | 入社研修、汐見技能センター実習、工場での現場実習(3か月)、製図・CAD研修※ |
|---|---|---|
| 2年次 | 2年次集合研修、構造計算研修※ | |
| 3年次 | 強度・振動解析研修※ | |
| 5年次以降 | 基本設計研修※、設計と工場のローテーション | |
| 艤装設計 | 入社〜1年次 | 入社研修、汐見技能センター実習、工場での現場実習(3か月)、配管・電路の図面研修※ |
| 2年次 | 2年次集合研修、機器メーカーでの実習※ | |
| 4年次 | 4年次集合研修、試運転の立ち会い実習※ | |
| 基本設計 | 入社〜1年次 | 入社研修、汐見技能センター実習、工場での現場実習(3か月)、船舶計算の基礎研修※ |
| 2年次 | 2年次集合研修、模型の水槽試験の実習※ | |
| 3年次以降 | 船主との打ち合わせへの同行、基本計画研修※ |
設計室に配属された最初の1年は、先輩の図面の確認と修正を一緒に進めながら、船の構造の決まりごとを覚えていきます。週に一度の「図面の読み合わせ」では、ベテランの設計者が自分の昔の図面を持ち込み、どこで失敗したかを話してくれます。わからないことを、わからないまま翌週に持ち越さない仕組みです。
設計系の社員にとって大きな目標になるのが、技術士(船舶・海洋)の資格です。受験を決めた人には、社内の技術士が1人付いて論文の書き方を見てくれます。模擬試験や外部講座の費用の負担、合格したときの祝い金もあります。
入社6〜10年目の設計者から半期ごとに数名を選び、汐見工場の建造部で6か月働く制度です。図面を描く側から、図面を受け取って船を組む側に回ることで、現場の手間を減らす設計の考え方が身につきます。戻ってきた人が次の新人の現場実習を案内する流れもできています。
生産管理や艤装の社員は、汐見工場でのOJTが中心です。最初は先輩の担当する船で工程の一部を受け持ち、3年目には船体ブロック一つ、5年目には一隻の艤装の工程をまとめられるように、段階を踏んで任せる範囲を広げていきます。
| 入社〜1年次 | 入社研修、汐見技能センター実習(切断・溶接・玉掛け・足場)、工場でのOJT |
|---|---|
| 2年次 | 2年次集合研修、工程管理研修 |
| 3年次 | 安全管理研修、修繕ドックでの実習 |
| 5年次 | 若手リーダー研修 |
| 6年次以降 | 中堅社員研修、次の課長を育てる研修 |
汐見技能センターでは、現場で20年以上働いてきた指導員が、溶接の姿勢から工具の置き方まで手を取って教えます。自分で溶接した鋼板を割って、中まで溶けているかを確かめる試験もあります。ここで一緒に汗をかいた同期は、配属後もいちばん相談しやすい仲間になります。
配属から1年間、2〜3年上の先輩が1人付き、毎月の面談で仕事の進み具合や困っていることを話します。先輩は上司とは別の立場なので、段取りの相談から寮の暮らしのことまで気軽に聞けます。1年目に助けてもらった人が、3年目に次の新人のシップメイトになるのが、いつの間にか当たり前になりました。
クレーンの運転や玉掛けなど、現場で必要になる技能講習は、会社の費用と勤務時間の中で受けられます。溶接管理技術者や電気工事士など、上の段階の資格も、社内の有資格者による対策講座と費用の補助で後押しします。
営業・事務系の社員も、最初の配属は汐見工場です。工場の総務や資材の調達で、船がどんなお金と人の流れでできているかを知ってから、営業や本社の部門に進みます。
| 入社〜1年次 | 入社研修、汐見技能センター実習(見学と体験)、工場事務の実務研修 |
|---|---|
| 2〜3年次 | ジョブローテーション(工場の総務・調達・営業から2部署) |
| 4年次以降 | 語学研修、海外の合弁ヤードへの派遣(選抜) |
工場事務の実務研修では、協力会社との契約、安全の書類、資材の発注など、工場が毎日回している仕事を一通り体験します。船の見積や契約の基本を学ぶ講座もあり、営業の先輩が実際の商談の流れを話してくれます。
入社から3年の間に、工場の総務・調達・営業のうち2つの部署を経験します。その後、本人の希望と適性を上司と話し合ってから次の配属を決めます。アジアの合弁ヤードに2年間派遣する制度もあり、手を挙げた人の中から毎年数名が海を渡っています。
入社4年目までに、会社が決めた資格の中から2つ以上を取ることを目安にしています。テキストの配布や部署ごとの勉強会に加えて、受験料と講座の費用の補助、合格したときの祝い金があります。