波の力、鉄の疲れ、溶接のひずみ。
船づくりの技術の多くは、過去の船が教えてくれたことの積み重ねです。
そこに計算とデジタルの力を足して、軽く、燃料を使わず、安全に働ける船をつくっています。
船が進むときの抵抗の大きさは、船首と船尾の形でほとんど決まります。コンピューターの中で水の流れを何百通りも計算し、水槽での模型試験で確かめる。この繰り返しで、同じ大きさの船でも燃料を1割近く減らせるようになりました。

ブロックの中の狭い場所を走り、決められた線を正確に溶接する小型のロボットです。人は難しい箇所の溶接と、ロボットの仕上がりの確認に集中できる。真夏の船内で、暑さに耐えて働く時間も短くなりました。

船底から細かい泡を出して、船体と海水のあいだに薄い空気の層をつくる技術です。水との摩擦が減り、燃料の使用量を減らせます。泡を船底に均一に広げるための吹き出し口の配置は、何十回もの試験で決めました。

設計者が描いた3Dの船の模型を、工場の現場でもタブレットで見られる仕組みです。どの配管がどこを通るかを現場で確かめられるので、図面の読み違いによるやり直しが減りました。

※効果の大きさはサンプルです
エンジンやプロペラの振動は、船員の眠りや機器の寿命に関わります。設計の段階で揺れの伝わり方を計算し、補強の位置を決めています。

船体の鉄が軽くなれば、そのぶん多くの荷物を積め、燃料も減ります。力のかかり方を細かく計算し、必要な所にだけ厚い鉄板を使う設計を進めています。

数百のブロックをつないで一隻にするため、一つのずれが積み重なると船全体が合わなくなります。レーザーで形を測り、搭載の前に寸法を整えています。

第5ドックの大型クレーンは、これまでの倍の大きさのブロックを一度に吊れます。屋内で大きく組んでからドックへ運び、天気に左右される作業を減らしました。

船体の外板の塗装は、厚すぎても薄すぎても長持ちしません。ロボットが決まった速さと距離で吹き付けることで、広い面でも塗りの厚さをそろえています。
