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Interview

組み立て中の船体ブロックを見上げる岬 ことは

自分の引いた線が、 鉄板になって 立っていた。

岬 ことは
設計本部 船殻設計部
2023年入社/工学部 船舶海洋工学科卒

船殻設計

Why MIO?

大学3年の夏、汐見工場の見学会で、ばら積み船の進水を見ました。何万トンもある船体がゆっくり滑って、海に浮かぶ。周りの社員さんたちが拍手もせずに、じっと船を見ていたのを覚えています。あとで聞くと「自分の担当したところを見ていた」と。図面の段階から一隻に長く関われて、その結果を自分の目で確かめられる。そういう会社で働きたいと思い、澪重工を選びました。

いまの仕事を教えてください。

船体を、鉄板と骨の図面に
分けていく仕事です。

船殻設計は、船の外板や甲板と、それを内側で支える骨組みの構造を図面にする仕事です。いま担当しているのは、LNG運搬船の二重底と呼ばれる船底の区画。船は工場で200個ほどのブロックに分けてつくるので、基本設計が決めた形を、切断や溶接ができる単位まで分解していきます。板の厚さ、骨の間隔、溶接の順番。どれも強さと重さ、それに現場の作りやすさの釣り合いで決まります。3次元のモデルで組んだ図面は、そのまま工場の切断機のデータになります。

モニターの3次元モデルを操作する岬 ことは

どんなときに手ごたえを感じますか。

図面に、現場の手順まで
描けたときです。

1年目は、強度の計算さえ合っていれば良い図面だと思っていました。あるとき溶接の班長さんに「この角度だと、トーチが入らんよ」と言われて、組み立て中のブロックの中に入ってみたんです。狭くて、暗くて、腕が届かない。それからは図面を描くとき、そこで作業する人の姿勢まで考えるようになりました。現場から「今回の図面はやりやすかった」と言われた日が、いちばんうれしい日です。

ブロックの内側で溶接の班長と話す岬 ことは

私の航跡

  1. 2026ゼロエミッション船の構造検討チームに入る
  2. 2025LNG運搬船の二重底を、先輩と2人で受け持つ
  3. 2024初めて1人でブロックを担当。自分の線が鉄板になった
  4. 2023.10船殻設計部に配属。先輩の図面を写して記号を覚える
  5. 2023.4入社。3か月のドック実習で、溶接と玉掛けを体験

配属されてすぐのころは、先輩の図面を1枚ずつ写すところから始めました。記号一つにも理由があって、それを聞きながら覚えていく毎日でした。

2年目の夏、初めて1人で受け持ったブロックが組み上がり、工場の床に立っていました。数か月前に画面の上で引いた線が、人の背より高い鉄の壁になっている。足が少し震えたのを覚えています。それからは、図面の1本の線を引く前に、その先にある鉄の重さを考えるようになりました。

いまはゼロエミッション船の構造検討にも関わっています。燃料タンクの置き方が変わると、船の骨組みも一から考え直しになる。まだ誰も描いたことのない図面に、早いうちから触れられるのは、この会社の面白さだと思います。

仕事で、いつも心がけていることは何ですか。

「なぜ」を現場で確かめること。

図面の数字には、必ず理由があります。前の船と同じだから、で済ませず、迷ったら工場へ行って、組み立て中のブロックを見るようにしています。設計の席から工場まで歩いて5分。その近さが、澪の設計のいいところです。

澪らしさを感じたのは、どんな瞬間ですか。

1年目の意見を、本気で聞いてくれたとき。

設計の検討会で、1年目の私が「この骨は現場で付けにくいと思います」と言ったら、部長が手を止めて図面を広げ直してくれました。年次ではなく、中身で話を聞いてくれる。だから遠慮せずに言えるのだと思います。

曲面の外板に手を触れる岬 ことは
進水を終えた船を背に笑う同期たち

あらためて感じる澪重工の魅力を教えてください。

一隻を、最初から最後まで見届けられる。

自分が図面を描いた船の進水式には、設計の人間も呼ばれます。引き渡したあと、その船がいま世界のどこの港にいるかを、位置情報で追いかけている先輩もいます。一隻との付き合いが長い会社です。

学生時代の自分に、何を伝えたいですか。

手を動かした実習は、全部役に立つ。

大学の製図や溶接の実習を、どこか面倒に感じていました。いまになって、あのとき触った鉄の重さや熱が、図面を描くときの勘になっています。課題の提出だけで終わらせず、もっと触っておけばよかったです。

あなたの「○○愛」を教えてください!

「曲がり外板愛」です。

船首や船尾の、ゆるやかに曲がった外板が好きです。1枚ずつ形がちがい、職人さんが熱と水で少しずつ曲げていく。図面の上ではただの曲線でも、実物の前に立つと、その手間の多さに毎回見とれてしまいます。

ある1日のスケジュール

08:00
出社

朝礼の前に、前日の現場からの問い合わせを確かめます。

08:30
朝礼・設計の打ち合わせ

チームで、今日出す図面と締め切りを確認します。

09:00
図面づくり

3次元のモデルで、担当ブロックの骨組みを詰めていきます。

11:00
工場で現物の確認

組み立て中のブロックを見て、図面どおり納まるかを確かめます。

12:00
昼食

社員食堂の日替わり定食。港町らしく、魚の日が多いです。

13:00
他部署との検討会

艤装や生産の担当と、配管を通す穴の位置を決めます。

15:00
図面のチェック

先輩に見てもらい、強さと作りやすさの両方から直します。

17:30
退社

週に一度は、同期とドック沿いの道を走ってから帰ります。